Blur Clear Things Up-2

アイスランド人は陽気すぎる

ATN:どういう所から「Beetlebum」のインスピレーションを?
Albarn:漠然とした催眠的な事だよ。はっきりしたものでは全くない。すごく暗い事についての曲だと思うな。すごく物憂い感覚を持ってる。ギターはずっとほとんど粉々だし。
ATN:明確なテーマはありますか?
Albarn:うーん、あるけど、僕は歌で物事をはっきり説明したくないんだ。それぞれ独立しているべきだよ。これは歌。これは説明ではない。
ATN:今までのアルバムでは、歌詞とコードを印刷していましたが、「Blur」にはありませんね。これはどうしてですか?
Albarn:歌詞がすごく妙な感じだから、何を言ってるのか説明したくなかったんだ。
ATN:でも、いくつかの曲はとてもクリアで、美しく、感動的ですね。
Albarn:そう。「Death of a Party」と「Strange News From Another Star」は(両方とも)すごくクリアだ。
ATN:それらはメッセージがあるのですか?
Albarn:ただの悲しい歌だよ。僕らは悲しい歌がすごく得意なんだ。(「Death of a Party」は)罪の意識と憂鬱の回想。(そして)男としての存在。酔っ払い男だ。
ATN:「Strange News From Another Star」も同様ですか?
Albarn:そう。同じ事。僕が初めてアイスランドに行ったときに書いたんだ。一年の内その時期はすごく暗いんだよ。その時期には12時半まで明るくならないし、3時には又暗くなるんだ。すごく変わった所だし、すごく静かなんだ。雪もすごいし。
ATN:このレコードの中で一番悲しい曲があるとしたら、どの曲だと思いますか?
Albarn:たぶんこれ(「Strange News From Another Star」)と、Grahamの曲「You're So Great」かな。
Coxon:(Albarnに)あれ悲しいと思う?
Albarn:悲しいと思うよ。悲しさもあるけど、少し希望もあるんじゃないかな。
Coxon:希望どころか悲しい曲だよ。それを表わしてるんだ、しかられた小犬みたいに。
Albarn:テーブルの下で歌ってる君のイメージがあるだけだよ。
Coxon:どういうこと?
Albarn:Stephen(Street。彼らのプロデューサー)が君はテーブルの下で歌ったって言ってた。
Coxon:そうだよ。
ATN:テーブルの下?
Coxon:人前で歌うなんて恥ずかしいよ・・・
ATN:じゃあ、レコーディングするとき、文字どおりスタジオのテーブルの下で歌ったんですか?
Coxon:そう、明りも消した。
ATN:ツアーで歌わなくちゃいけない時はどうするんですか?
Coxon:ツアーでは歌わない。
Albarn:(笑)もし歌ったらすごいよ。
ATN:やると思いますか?
Coxon:分からないよ。幾らもらえるかによるな。

「(レコーディングの時)僕は確かな所にいなくちゃならない。僕の歌が、技巧に走ったものよりもっと感情的になるよう、心から努力をした」 --Damon Albarn

ATN:新しいアルバムでお気に入りの曲はありますか?
Coxon:「Country Sad Ballad Man」を聴くのが好きだな。本当に気分を良くしてくれるサウンドをもってる。あれの本当に有機的な所は、ベースとギターがお互い曲のすごく遠い所にあるって事なんだ。それが良いところだよ。そういう小手先のものは鼻につくことがあるだろ?でも曲とかけ離れた所にあっても、イイ感じのものもあるんだ。僕はそれがうれしいな。
Albarn:音楽が過剰供給になる主な理由は、ラジオ番組の製作者が、多くの場合、趣味の良い音楽ファンではないからだと思う。ラジオ番組の製作者のポジションに就くためには・・・なんだろうな。必要な物は、一種、ほんとうに、あぁ、適切な言葉が出てこないな。彼らは本当にまともな人達なんだよ。
ATN:ビジネス・ピープル?
Albarn:そう。
ATN:では彼らは分かっていないと?
Albarn:いや、分かってるよ。でもこんなにたくさん非有機的な音楽が作られているのは、それがすごく安全なサウンドだからなんだ。多くのミュージシャンが正しい方法でレコーディングをしていれば、サウンドはもっと良くなるはずなのに、これは恥ずかしいことだよ。たくさんのヒドい音楽がラジオ番組のために作られ過ぎてる。
Coxon:そうだね。同感だ。
Albarn:いい音楽ではないし、彼らは実際多くのリスナーを得ているし、ラジオ番組の製作者がいなければ、全カルチャー・シーンももっと活気が出るんじゃないかな。(笑)
ATN:「Moving On」は、Britpopへの真っ向からの反発?それとも文字どおりのものではないのですか? Albarn:あれは実際にはヘビー・メタルの存在とMTVでプレイする事についての曲だよ。
ATN:あなたはそれが起こらないなら、今の所それは重要な事じゃない、と言いますよね。つまり、あなたはそれを起こしたい、当然ですが、しかし、もしそれが・・・
Albarn:ああ、つまり僕達は・・・それはイギリスのプレスのNMEが、僕らはこんなアルバムを作る余裕が本当にあるんだって事を指摘したんだ。それはすごく僕らの心に残ったよ、「そうか、僕らはこんなアルバムを作る余裕があるんだ」ってね。僕がすごく貧乏だった時にできることだったら、僕はこのレコードつくってたよ。
Coxon:ホントに貧乏だった頃は聴けたもんじゃない曲もたくさんつくったよ。

ビデオ・ランドの旅

ATN:家でアメリカのMTVを観ますか?
Albarn:いや、ヨーロッパのMTVを観てるよ。たまに。
Coxon:実は昨日の晩、MTVを少し観た。
Albarn:MTVを長時間観るのは難しいな。僕の、自分を深く落ち込ませる確実な方法は、音楽業界紙を読むことと、MTVを観る事だね。

「僕らはアメリカでの成功は絶対必要な事で、簡単な事だと思ってたんじゃないかな。難しい事じゃないと思ってた。でも、(僕らは)すごく世間知らずだったんだ。」 --Graham Coxon

ATN:「Beetlebum」のビデオはもう作ったんですか?
Albarn:ああ、Sophie Millerとね。No Doubtのビデオをつくった人だ。でも彼女はすごいよ。ビデオランドで女性と良い仕事をしたよ。
ATN:どんな感じなんですか?
Albarn:「Beetlebum」?すごくいいよ。僕は本当に気に入ってる。すごくリラックスしてるし。アニメーションもある。空へ飛んでいくんだ。
ATN:ステージでのあなたも見られるのですか?
Albarn:歌ってるよ。まだ見てないけど「Song2」も撮ったんだけど、おそらくMTVで見られると思うよ。
ATN:それもMillerが監督したのですか?
Albarn:そうだよ。彼女は今MTVウケしてるよね。でもそれで僕らが彼女を起用したんじゃない。ただ僕らは彼女が好きなだけ。
Coxon:「Song2」のビデオはいいよ。悪魔の風が出てくる(笑)。
Albarn:そして人が部屋中に投げつけられる。
Coxon:一種(うなる)「アキラ」みたいなパワーだね。
Albarn:ヘッドバンギング・ソングだ。ヘッドバンギングさせるぞ。ヘッドバンガーがごまんと出てくる(笑)。
Coxon:あと暴走族も。
Albarn:今度ね。今はヘッドバンギングのリバイバル時代だ。


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