Blur Clear Things Up

新しいアルバムのことが知りたい?アイスランドの事?
最近のクリーンなライフスタイルについて?
Damon AlbarnとGraham Coxonが全てを語ります!

By Susan Kaplow

ニューヨーク

 これは新生Blurのスタートに過ぎない。数年前からシンセをベースにしたodd popの旗手となった4人は、ポップ地獄とロック煉獄の間のどこかのバス停にそのイメージを引き裂いて、置いて来た。

 Blur、イギリス人4人組によるバンド名を冠した5枚目のアルバムは、彼らのこれまでのものとは大きな隔たりがある。表面はムーグやシンセサイザーの奇妙なサウンド;内面は古き良きギターしか出すことの出来ない荒削りのメロディー。このアルバムでは、シンガー・Damon Albarnのヴォーカルすら違う。かつての“無理やりなコックニー風のぺちゃくちゃ唱法“に代わって、Albarnはより落ち着いて、自然なアプローチで歌っている。ギタリスト・Graham Coxonはついに手の内を見せ、ドラマー・Dave Rowntreeとベーシスト・Alex James(常にバンドのロックンロール的要素を支えている)は、キーボードの深海に沈んでいくというよりむしろハード、ラウド、かつクリアである。

 odd popが悪いというわけではない。Blurは90年代初めにデビュー・アルバム「Leisure」をリリースし、このムーヴメントのリーダーになった。このアルバムは愛すべき80年代ポップのサウンドを取り上げて奇妙さをミックス、そして人々はそれを愛した。続いて1993年には批評家達の喝采を集めた「Modern Life is Rubbish」で、ブリティッシュ・バンドの間に目指せBlurという風潮が現われ始めた。1994年にリリースされた「Parklife」は、「Girls & Boys」や「End of a Century」等の曲でアメリカでの注目を集め、ブリットポップ・シーンへの興味をかきたてた。「The Great Escape」のリリースを忘れることは出来ない。Oasisの「(What's the Story) Morning Glory」と同様に、この1995年のアルバムはこの年を最も期待されたアルバムであり、両バンドのマスコミを煽るような不和は、UKのほとんど全ての新聞・雑誌の表紙を彼らで飾らせる事になった。

「セックス、金、陽の光・・・イギリスで有名になったら、人生はこんな区分で分けられてしまう。」---Damon Albarn

 Oasisがポップ戦争に勝ったにもかかわらず(Blurによると、彼らはOasisと張り合う意思は全くなかった)、Blurはここアメリカで熱狂的支持を得ている。ツアーはほとんど売り切れ、バンドは明らかにファッションやイメージ等、アメリカのファンに影響を与えている。熱狂的なファンにとっては再び我慢の時期だが、これは来るべき成長を現わしている。さらに、それはBlur--Oasisファンに「臆病者」「弱虫」とレッテルを貼られたバンド--が、底力のあるところを証明している。

 Addicted To Noise寄稿者(兼“Seventeen magazine“音楽担当者)Susan KaplowはVirgin Recordsニューヨーク支社で、Blurのシンガー・Damon Albarnと、ギタリストのGraham Coxonに会った。Kaplowによると、インタビューは、普通、一日の中でもバンドのメンバーから筋の通ったコメントを得るには都合が良いとは言えない、午前10時丁度に始まった。9時、Kaplowは準備をし、インタビューを進めるにつれ(1時間オーバーした)、彼女はチャーミングに、賢くなった2人に気付いた。私たちはそれ以上のものを期待した。

わかりました・・・噂のダイアナ妃のスキャンダルについては聞きません。

Addicted To Noise:どうして新しいアルバムのタイトルを「Blur」にしたんですか?
Damon Albarn:それがちょうどいい様に感じたんだ。
ATN:あなたは、このアルバムは新しくて改善された、議論の余地の少ないBlurだと言いましたね。そこで、なぜあなたの気持ちが改善されたのかをうかがいたいのですが。
Albarn:そうだな、“議論の余地の少ない“(という部分)についてなら答えられるな。それは僕らがタブロイド紙の一面の作用に対して、まだ準備が出来ていないという事だと思うんだ。アメリカでは僕らが言った事のポイントが他の事になってた、なんて経験はないけど、イギリスでは発言したらすごい反響なんだ。
ATN:新鮮じゃないですか?こちらに来たらあなたの口から出る言葉はあまりひねくれていない様ですね。
Albarn:ホント、不思議だよ。大口叩きと思われるか、そうじゃないかの間の、丁度いいラインだ。もし誰も聞いてなかったら、君も大口叩いたりしないだろ?
ATN:そうですね。もしGallagher兄弟の1人が、あなた方の新しいアルバムに関して何かひどく馬鹿げた、まったくあきれた事を言ったら、プレスに言葉で仕返しをしますか?
Albarn:いや、そんな事しないよ。彼らは彼らが僕らに関して言う必要がある事しか言わないんだ。僕は彼らがこれ以上口汚ない事を言うとは思わない。そういう事には飽きたんじゃないかな。
ATN:多くのアメリカ人にはBlurとOasisの不仲に関してはお馴染みですが、南部と北部、労働者階級と中産階級の階級間の対立は、あなた方の言い争いや特ダネ争いに隠れて馴染みがありません。イギリス文化に疎いアメリカ人のために、あなたはどこから来たのか、そういう点を少し説明してもらえますか?
Albarn:え、まいったな。僕らにはタブロイドがらみの全く新しいシステムがあるんだ。彼らはだいたい永遠に確固としたものにしか興味がない。金を持ってる人と金が欲しい人。セックス、金、陽の光、それに王室とアルコールと、そんなものについて話したがるんだよ。もしイギリスで有名になったら、人生はそういう区分で分けられる。思うに僕らとOasisに起こった事の多くの原因は、そういう所にあって、彼ら(Oasis)は、全てのカネと僕らの出身地・南部と比べて、伝統的に労働者階級の多い、ハードな状況の北部の出身だって事。だから一旦僕らがタブロイドの標的になったら、僕らが特権的、彼らは苦闘の人になってしまったんだ。

真のギターバンドのレコード

「僕達が本当に貧乏だった頃には、聴けたもんじゃない曲もたくさんつくった。」---Graham Coxon

ATN:なぜ(今までと)異なった、あるいは似ていないサウンドのアルバムを作ろうと思ったのですか?
Albarn:心の修理。
Graham Coxon:そう。僕はただ裏庭を掃いただけだと思うな。葉っぱの下に何があるのか、見るために。
ATN:レコーディングする時しらける事ってありますか?
Coxon:しょっちゅうあったし、悩みの種だったよ。でもこのアルバムに関しては、僕らは全部吹っ切ったと思う。初めてジャムっぽいこともしたし。僕らはホントに今までジャムった事がなかったんだ。レコーディングに関してはすごく潔癖っぽくて、研究室にいるみたいだった。そう、(今回)僕らは感じた通りに心に浮かんだことをそのまま演奏し、編集したんだ。すごくエキサイティングだったよ。
ATN:あなたは、現在の周囲の状況は、あなたが輝くポップ・レコードを初めてつくり始めた時とは違う、と言っていました。それはどう違うのですか?
Albarn:僕達の曲のうちいくつかは、この音楽業界みたいに異なる背景においてもうまくいくと思うよ。僕にはただ趣旨があって、それに従って詞を書けば音楽的にも良いんだ。「Country House」は音楽的に素晴しい曲だ。でもクリーヴランドで演ろうとすると、ちょっと変な曲だよね(笑)。
ATN:イギリス的なキャラクターだから。
Albarn:うん、彼らはただのキャラクターだ。この曲の非常に強烈なキャラクター。
Coxon:メロディーはすごく一癖ありそうな感じ。音楽的に。
ATN:映画的に?
Albarn:そう。本来そういうものを持ったギターバンドだったら戸惑うだろうね。これが真のギターバンドのレコードだ。
ATN:そしてそれがあなたの正体。
Albarn:そう、それが僕らの正体。いわば・・・自分でもよく分からないな。
ATN:U2とDavid Bowieがドラム&ベースに乗り換えたことはどう思いますか?
Coxon:親父がきまり悪い事やってるみたいな感じで好きじゃないな。
Albarn:サウンドが良ければ何も問題はないね。良い音楽はそれ自体で生きてるんだ。誰が作ったかは関係ない。U2のあの曲(「Discotheque」)は全くのカスだけど。残念なことにイギリスにはいまだにU2が好きな人達がいる。これはアイデアをたくさん持っているバンドの例じゃない。あのバンドはほんの少しのアイデアしか持ってないんだ。僕は「Discotheque」を事実上全て一人でつくった人を実際知ってるよ。本当に。これを言うと問題になるだろうね。ただのクソだ。U2モノの中には埋め合わせになるクオリティーのものもあるけど、あの曲は救いようがない。だからダンス好きの人はあれには閉口させられるだろうね。

「目標が全て成し遂げられたら、あとは全ての事に不平をいうしかなくなるのは仕方のない事だ。それが当然の事だと僕は思う。」---Damon Albarn

ATN:ProdigyやChemical Brothersはどう思いますか?
Albarn:Prodigyは好きだよ。coolだね。今ものすごく盛り上がってる。曲は他のとそんなに違っているわけじゃない。でも彼らはイギリスでNo.1になって、彼ら自身のやり方でやってる。
Coxon:ドラマーのDaveが興奮してるのを見た、初めてのバンドだよ。
Albarn:個人的には彼らのライブを観た時、結構冷めたけどね、全部DATだったから。でも好きだよ。彼らはcoolだよ。みんな頭を使ってる。人生の本質を見抜いてるよ。


| Blur Clear Things Up-1 | Blur Clear Things Up-2 | Blur Clear Things Up-3 |


| blur page | inserted by FC2 system