YamaRan's: 台湾旅行の巻:4日目 台湾旅行の巻:4日目
2006年11月28日

4日目。今日はお茶どころ猫空(マオコン)でお茶三昧、と思ってたんですが、朝から本格的にザーザー降ってます。でもまあとりあえず午前中は近場を見て、お腹が空いた頃に行ってみよう、ということでホテルを出発。

歩いて10分くらいの所に国立台湾博物館があるので行ってみました。「スペインとフォルモサ」展というのをやってた。フォルモサというのはスペイン人が台湾を“発見”した時につけた名前。そこでスペインとオランダが領地を巡って台湾で戦争したときの様子を再現したCG映像を放映してました(左の写真はチラシ)。なにもこんな狭い島で戦争しなくても、地元で済ませてくれればいいのにねえ。日本関連として、琉球との貿易や御朱印船の資料が展示してありました。その御朱印船で貿易をしていた商人がおこした事件、というのが興味深かったな。オランダ人に貿易を阻まれたので、その商人は1回日本に戻って、武装して台湾に引き返してきたんだって。それでオランダ領事を人質にして今まで通りの貿易を認めさせたらしい。随分荒っぽいことをしたもんだと思いますけど、なんと台湾の人たちは日本の商人を応援したらしい。それくらい西洋人の占領下にあることが辛かった、という事なのかね。スペイン人だかオランダ人だかに鉄砲を向けられてる地元の人たちが、石を振り上げて対抗している絵もありました。ひどい!

他に興味深かったのは、台湾の原住民に関する常設展。台湾では先住民じゃなくて原住民と呼ぶのが標準だそうです。部族ごとに衣装や入れ墨、お祭りなど特徴的な部分をクローズアップして展示していました。歌も聴けるようになってるんですが、ホーミーみたいな倍音喉歌をもってる部族があるのね、台湾にも。他には、戦士としての心構えを若者に教えるための“サル突き祭り”とか、首狩りの風習に関する資料、入れ墨のバリエーションなど。面白かったし勉強になりました。

いやー、一見の価値はあるね。入場料20元は安い。と思いながらショップを覗いてみると、丁度お昼時で、店員のお姉さんがレジの前でお弁当を食べていました。ちょっと気まずい。

相変わらず雨は降っていますが、もう少し足をのばして市場を覗いてみよう、と歩き出した。まあ、ガイドブックの地図が分かりにくいのは仕方がないとして、昼食のために表に出た勤め人達でごった返してて歩きにくいんだ。雨だからみんな軒下を歩くんで余計に。

しかし台北という街は食べ物屋が多い。市場でも商店街でも、麺、パン、ブラジャー、飯、乾物、薬局、みたいな感じで、もう全然脈略がない。日本だと各店舗にドアがあってそこから出入りするようになってる場合が多いですが、こっちではだいたいが開けっぴろげで、中から外まで素通しになってる。そして食べ物やさんはみんなわざわざ外で作ってます。なにもこんな所でまんじゅう包まなくても、みたいな状態。おかげで歩いてると誘惑が多い。いや、その為に外で作ってるんだよな(笑)。ご飯食べてる人もパンツの品定めしてる人も、同じように素通しで見えちゃうから、余計に雑然として見えるんだろう。

道に迷いついでに西門駅の方へ出てみた。この辺りは若者の街だそうだ。紅楼という、かつて劇場だった建物がカフェか何かになってる。その辺りをぐるっと回ってみたけど、日本の地方都市みたいな感じ。


左:元・紅楼劇場。 中央:窮屈そうなお寺。 右:2階からの眺め。

ブラブラするのも疲れたから、そろそろ猫空に向けて出発しようか、と西門駅へ引き返す途中、商店街の真ん中にお寺発見。ギリギリまでビルが建っていて、見るからに窮屈そうですが、お参りに来る人は後を絶たず。前を通る人の中にも、ちゃんと一礼して行く人がいる。門をくぐると、そんなリアルタイムの信仰がひしひしと伝わってきます。奥の方では尼さん達が読経の最中。参拝の順序が書かれていたので、それに沿って順番に手を合わせてきました。本当はお線香を買ったりしなきゃいけないんだろうけど。

そしていよいよ猫空へ。MRTの木柵線というのに乗るんですが、これは他の線と違って高架の上を走るモノレール。ゆりかもめみたいな感じです。目的地・萬方社区駅方面に進むと、マンションなどが目に付くようになります。こっちの方はベッドタウンなのかな。萬方社区駅前は何にもないので迷う心配もなく、道に沿っていくとバス停がありました。バスがすぐ来なかったらタクシーでもいいね、と話していたらすぐにバスが到着。今回はバス運がいい。

バスと言ってもマイクロバスです。学生の街、という風な賑やかな辺りを通って、山へ向かう。登り出すと道がクネクネなので、酔いやすい人は要注意かも。上へ行くにつれて“○○茶楼”みたいな看板が目立ち始める。おお、向こうに見えるのは道教のお寺・指南宮だ。霞がかかったような山の斜面に凄い存在感で鎮座ましましている。向こうの山へも行きたいけど、まあ今日一日では無理だなぁ。

なんて事をぼーっと考えている内に、終点・猫空停留所に到着。所要時間は35分くらい。バスを降りると耳がキーンとした。自分が風邪をひいているせいかと思ったが、友人の耳もキーンとしているらしい。高いところに来たからか。ここ、そんなに高いの?!

周囲を見回してみる。どっちを向いてもだ。四国の山奥へ行ったときのことを思いだしました。台湾の山と比べると、四国の山はだいぶなだらかだった。山の上だけあって街中よりも少し寒い。

茶芸館は沢山あるので、どこに行ったらいいのか分からない。まあ今日は初めてだし、無難に決めました。ネットで割引クーポンを見つけた邀月という店。

入口のカウンターで茶葉点心を注文して、代を払ってテーブルへ。わー、各テーブルに電気湯沸かしがセットされてる。「お茶の入れ方」インストラクションを読んで、さっそくお茶を入れてみる。あー、いい香り。雨音を聴き遠くに山を望み、のんびりとお茶を飲むなんて、ほほほ、気が利いてるじゃないですか。私はお茶の善し悪しなんか分からないので、単純に好きか嫌いか、美味しいか不味いか、くらいしか判断基準がないんですけど、これは市内観光のお茶教室で飲んだ烏龍茶とは違うって事は分かりました。

のんびりしてたらじきに暗くなった。もう山は見えない。店の明かりに照らされて、周囲の茶畑の葉っぱが光っていた。隅のテーブルではここの家の子だろう、小学生くらいの女の子が宿題をしていた。えらいね。

お店の人にバスの時刻表をもらったので、その時間に合わせて店を出た。ほぼ一日中30分間隔で来るんだから、時刻表要るのか?って気もするけど。

バスはほぼ定時に来た。萬方社区駅からMRTで帰途につく。だらだらとお茶とお菓子を飲み食いしていたので、まだお腹は空かないし、どうしようか。幸い中心部に戻ってくると雨は上がっていたので、友人が行きたいといっていた迪化街という所へ行ってみることにした。ここはナッツ類やドライフルーツなど、農産乾物を扱う店が集まっている所で、様々な時代の、様式の異なる建物が観られるらしい。が、残念ながらこの時期は夕方5時過ぎには暗くなってしまうので、建物はよく見えなかった。

MRTの駅から迪化街までの間に、ちょっとした夜市があったので、友人が買い物を済ませてからその周辺で夕食。魯肉飯の店に入る。魯肉飯(小)に茹でた青菜、エビのすり身の揚げ物を注文。安くておいしい。なんて幸せなんだろう(笑)。ここでは少しお腹に余裕を残しておいて、次は牡蠣のオムレツを食すべく、2〜3軒となりの店へ移動。ここもやはりオッチャンが店先でリズミカルに野菜を炒めたりチャーハンを作ったりしている。いいにおい。小さい牡蠣がたくさん入っていて、後は青菜類。卵はたしか2つ割ってたな。そんなオムレツに甘めのあんがかかってる。一人前50元(約185円)だったと思う。予想以上に食べでがありました。大きくてジューシーな牡蠣はちょっと苦手なので、私には丁度よかった。

ホテルに帰る途中、本屋さんで絵本を購入。「え、それまさか自分用?」と友人に不思議な顔をされ、逆に意外だったんですが、そんなに変わったことですかね。海外に行くと、その国の本屋さんに行って本を買う、というのが恒例になってます。以前は新聞を自分用のお土産にしてたんですが、全く言葉の分からない国だとあまり意味がないような気がして、絵本やマンガ等、字が少ない方面に拡大してきました(笑)。今回は「米飛(ミッフィー)」の絵本。台湾語の発音記号(注音符号)は漢語のピンインとは文字も表記も全然違う。あ、そうそう、瑞芳駅の観光案内所に貼ってあった手書きのポスター、何が書いてあるのかサッパリ分からなかったけど、あれはこの台湾式のフリガナ付きで書いてあったんだな。つまり、半分は漢字、半分はフリガナだったわけだ。日本語でいうと平仮名みたいなものかな。

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