YamaRan's: 台湾旅行の巻:2日目 台湾旅行の巻:2日目
2006年11月26日(前編)

2日目は市内観光の日。7:55にガイドさんが迎えに来るというので早起きしました。
ホテルの朝食バイキング形式で、パン、ご飯、シリアルの他に、お粥や担仔麺もあってかなりのバリエーション。美味しかったです。

観光バスに乗りこんだのは8時すぎ。一行は30人ほどでしたが、今日は同じ様なバスが全部で3台、つまり約100人の日本人観光客が市内観光をするらしい。すごい。
団体でぞろぞろ行動するのヤだなー、と思ってたんですが、結果から言うと、初めての土地で効率よく観光名所を回れてよかったです。団体のデメリットを差し引いても、市内観光付きにしたのは悪い選択じゃなかったと思います。

最初に向かったのは孔子廟。日本の中華街とかにある孔子廟は派手な印象がありますが、この孔子廟は比較的落ち着いた雰囲気でした。お庭も良い感じでのんびり。受験生がお参りに来るときは、普段のお供え物と一緒に受験票のコピーを持ってくるんだって。分かりやすいね。個人情報とか心配ですけど。

そのまま歩いて、隣接する保安宮(左の写真)へ。こっちはカラフル。屋根にも壁にもいろんなものがくっついてます。見るからに縁起が良さそう。健康の神様(保生大帝)、子宝の神様(註生娘娘)、航海の神様(媽祖)などが祀られています。媽祖についてはディスカバリー・チャンネルか何かの「世界のお祭り」みたいな番組で見た覚えがある。大陸から台湾に渡ってきた人が、船にお祀りして連れてきた神様だ。仏教じゃなくて道教のお寺なんだね。初・道教旅の安全を祈ってお線香をあげました。最後にお札を炉にくべます。福・禄・寿を象徴するという3人のお爺さんが描いてある(右の写真)。ガイドさん曰くこれは神様へのワイロらしい。お賽銭みたいな感じ?

バスで茶芸教室へ。まあ、要は中国茶の実演販売です。試飲しながら中国茶の入れ方などのレクチャーを聞いて、最後にお茶や茶器、お菓子の販売。これがもう面白いように売れてました。1箱12000円もするプーアール茶等が次々と紙袋に入れられて各テーブルに仕分けされていく(笑)。集団心理恐るべし。みんな大丈夫か!?

車窓に総統府を眺めつつ、中正紀念堂(左の写真)へ。ワシントン公園にリンカーンの像があるように、中正紀念堂には蒋介石の像がある。そんな感じ。丁度衛兵交代の時間で、ピカピカのヘルメットを被った衛兵が、ロボットみたいに行進してました。蒋介石の像は案外にこやかでした。広場には花が咲いていて、木陰からは京劇の歌が聞こえて、ああ、実に平和だ。

えーと、次はどこだっけ?お昼ご飯?残念ながら免税店でした。ブランド物や装飾品には興味がないので、もっぱらお菓子の試食。京都と言えば八つ橋、みたいな感じで、台湾土産にはパイナップルケーキが有名らしい。全然知らなかったよ。色んな種類があって、生地の硬さやパイナップル餡の味など、メーカーごとに微妙に違う。家族や友人へのお土産は何がいいかな、なんて事を考えつつブラブラ。結局手ぶらで出ました。

で、ようやく昼食。梅子というレストラン。ガイドブックに載ってた店だ。さすが団体客御用達だけあって、手際よくサッサ、サッサとすごいペースで料理が運ばれてくる。全部で7〜8品くらい出たかな。友人と2人で来てたらこんなに沢山の種類は食べられないから、これも団体のメリットと言えるかも。牡蠣と豚肉がおいしかった。けど個人ではわざわざ来たい感じではないな。

食後は足つぼマッサージ&漢方薬店。希望者がマッサージしてもらってる間、希望しない人はどうするかというと、「休憩室があります」と2階に通されます。会議室の様に机と椅子が並べられた部屋には、様々な漢方薬が並んでいる棚があり(右の写真。“附子”って実在するんですね。)、壁には効能書きやら何やらがいろいろ貼ってある。そこに表れたかくしゃくとした白髪の老人。中国拳法のデモンストレーションをお見せすると言う。おお、何が始まるんだ。そこへずんぐりむっくりとしたオッチャンが入室。この人が拳法使いか。取り出しましたのは何の変哲もないキャラメル。これを釘のような細長い形に整え、机の上に立てます。「ハイッ!」という掛け声と共に、サトウキビの幹を振り下ろすとアラ不思議!キャラメルは見事サトウキビを貫通したよお立ち会いッ(笑)!ご老人が「柔よく剛を制す」とか何とか言ってさっさと次の技へ。厚さ3cmはあろうかという木の板に、掌でもって釘を打ち付けます。おおーっ。そしてメインイベント。真っ赤に熱せられた鎖を素手でつかむ!ジュッという音と共に煙が立ちのぼる!パッと開いた手のひらは当然ヤケドをしています。そこでご老人の出番だ。この妙薬○×軟膏をつければたちどころに傷は癒えます。…ってガマの油売りか!(笑)おもろいわー。

各種軟膏やら何やら、漢方薬の説明が一通り終わると、ヤケドのオッチャンが再登場。さきほど塗った軟膏をタオルで拭き取ると、ワー治ってる!(ように見える)

真剣に中国拳法に取り組んでる人が見たら怒り出しそうなデモンストレーションでしたが、ご老人の芸風に免じて許す。

そしてどこからともなくオバチャンが数人現れて、漢方薬の販売タイム。気の弱い人は要らなくても買っちゃいそうだ。私は興味がないのでウトウト。しばらくして静かになったな、と思って顔を上げてみると、その場にいた約10人の内、3人くらい買ってました。

ガイドさんが迎えに来たので、一同ゾロゾロと階下へ向かう。途中の部屋から、ヤケドのオッチャンの「ハイッ!」という掛け声が聞こえてきた。オッチャン、ご苦労様です。

マッサージを受けていた友人に「待ってる間なにしてたの?」と尋ねられたので、サトウキビにキャラメルを貫通させたり、灼熱の鎖を素手で握ったりするのを見た、と答えたら、「は?」と言われました。

バスで忠烈祠へ。戦争で亡くなった人を祀ってあるところ。日本で言うと靖国神社か。本殿と正門の間には、錆色の線が真っ直ぐに3本ついてます(左の写真参照)。なんだろう。何かを引きずった跡?と疑問に思ってたんですが、衛兵交代が始まったら謎が解けました。衛兵の靴の土踏まずには金具が付いていて、歩くとチャラッチャラッと音がするんですが、この金具が、衛兵独特の歩き方によって石畳にぶつかる。錆色のラインはその金具の跡でした。3列になって行進するので3本ついてる。5人が2・1・2の隊列を組むので、真ん中の線は両脇の線より薄いわけです。一日に何回交代するのか知りませんけど、ちりも積もればですよ、ホント。

最後の観光スポットは国立故宮博物院。忠烈祠で集合時間にだだ遅れのおっさんがいたため、見学時間は50分程しかなかった。4時過ぎ着で5時閉館だからしかたがない。つーか遅れんなよ!

ここの収蔵品は元々中国の紫禁城にあったもので、中国国内を点々と疎開して回って、最後に蒋介石と一緒に台湾に来たらしい。ガイドさん曰く「紫禁城の宝物の中でも、選りすぐりの優れた物三分の二が台湾に来ました」。言い換えれば、いま中国の故宮博物館にあるのはカスばっかりって事ですか?(笑)

改装工事のため、展示エリアは本来の半分ほど。玉製白菜や象牙のオーナメント、西太后の付け爪など、見どころをガイドさんに解説してもらってから自由行動。って閉館まで20分しかないじゃん。でもまあ学問のないアタシにゃ青銅器なんかは見ても分かんないですから、今度来るときは中国の歴史も勉強しとかなきゃね。

しかし精巧な細工物なんかはもう単純にスゴイです。親子三代かけて作りました、なんてホント中国らしい、気の長い話ですよ。そんな工芸品も、皇帝の絶大な権力があったから作れたし、その為に作られた品々なんだよね。ふむー。

台湾の故宮博物院と言うと必ず図版に登場する玉でできた白菜の彫刻は、後宮にやる娘のためにお父さんが作らせたものなんだそうです。その甲斐あって皇帝の覚えも目出度く、娘は可愛がられたそうな。

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