YamaRan's: モンゴル旅行記:5日目 モンゴル旅日記

[ 2002.09.29.(日)- 5日目:ウランバートルへ ]

11時前にキャンプを出発。従業員のお姉さんに、エーデルワイスの押し花をもらった。エーデルワイス、初めて見たかも。今日は2日前に来た道を引き返すだけだ。ちょっとつまらない。

とてもいいお天気だった。車の中では汗ばむほどだったが(砂埃がすごいので窓は開けられない)風がとても強く、昼食も車内でとった。しかし座りっぱなしでは疲れるので、食後、外に出てなんにもない所をぶらぶらしたりきょろきょろしたり。どこからともなくがやって来た。ひどく痩せている。ガイドさん曰く「赤ちゃん生んだあとじゃないかな?人に慣れてるから、飼い犬だね。お昼の残り物あげたら?」飼い犬にエサなんかあげていいものなのかと思ったが、ガイドさん曰く、モンゴルでは犬はとても大切にされているので、飼い犬でも野良犬でも、エサをやることは良い事なのだそうだ。ならば、と妹と2人でベーコンサンドを放ってやった。まず1つ目はよっぽど空腹だったのか、ろくに噛みもせず飲み込んでしまった。2つ目は落ち着いて来た様子で、まずベーコン、次にパンを食べた。キュウリなどの野菜は残した。ガイドさんに「今日は犬に優しくしたから、きっといいことあるよ」と言われた。

帰りはメチャクチャ早かった!実際スピードが出ていたのは分かるが、なんで?ってくらい早くついた。食事と休憩時間を含めても、4時間くらい。午後3時ごろにはウランバートルのホテルに着いていた。

夕方から民族歌舞鑑賞の予定だが、それまでの間は自由行動。まずは全身の砂を落とすため入浴。お湯がぬるいなーと思っていると、すぐに水になってしまった。寒い思いをしながら石鹸を流して、さっそくフロントへ。すると「修理中なので夜10時には出ます」。なら先に言ってよ!仕方がないので、散歩に出かける。メインストリートに沿ってぶらぶらして、国立デパートを覗いてみた。国立とは言うものの、現在は民営化されていて、単にウランバートルの人たちが習慣で「国立」と言っているだけらしい。なにかいいお土産はないかと物色。まず自分用に和蒙/蒙和が一冊になっている辞書を購入。古いだけ(汚いだけ、か)が取り柄、みたいな仏画を見ていると「そろそろ時間だよ」と妹に声を掛けられたので、ホテルに戻る。

大通り沿いの喫茶店(なぜか客が白人ばっかり)の前で歌を歌っていた少年2人組が、ウエートレスに「店の前で歌うな」という様な感じで追い立てられていた。が、めげずに歌い続けていた。民主化後、貧富の差が広がって、最近ではマンホールの中に住む人たちまで出て来ている、という話を思い出した。そう言えば「人が住んでいるマンホールはフタが開いているので、気をつけて下さい」とガイドさんにも言われた。そうそう、街を歩いていてよく目にしたのが”電話やさん”。自分で加入した電話を元手に、公衆電話のようにお金を受け取って通話させる商売。携帯電話もかなり普及している様だったが、余裕のない人やそんなに電話を使わない人は、こういう電話やさんにお金を払って電話をかける。でも道ばたに電話機を抱えた人が点々と立っている様子は、一瞬何なのかと戸惑う。

ホテルから車で劇場へ。ピオネール(「チェブラーシカ」にも出て来た、ロシア版ボーイスカウトのこと)公園という遊園地の敷地内にある、小さな劇場。オルティン・ドー(モンゴルの長唄)を歌う女性はガルーダを模した頭飾りを付けていた。これは昔の女性の髪型から来たもの。火には鳥のパワーが備わっているのでそれに対抗して炊事をするために、女性はガルーダ(神の乗り物とされる鳥。ヒンドゥ由来)を模した髪型をする風習があったそうだ。面白い。
男性歌手によるボグン・ドー(短い歌)、馬頭琴の独奏や、さまざまなモンゴルの伝統的な楽器によるオーケストラ(!)、小さい女の子2人組の曲芸など、内容は盛り沢山だったが、やはり目玉はホーミー。ホーミーであんな高音、初めて聴きました!っていうか、可能なんですね。ホーミーだけでも聴く価値ありました。馬頭琴の伴奏で独唱する他に、4人で合唱もあった。最後は仮面舞踊。カラコルムの寺院でも見たヒンドゥ系の神様・ツァムをメインにしたもの。本来はとても大規模なもので、完全な形で行う機会はほとんどないそうだ。

画像をクリックで拡大:これがツァムの踊りだ!写真はパンフレットより。

劇場で、私たちのすぐ横に、アラブ系の一団が座っていた。その中の1人、「アラビアのロレンス」みたいに頭から白い布をかぶって、白い服を着た人が”偉い人”らしかった。私たち一行は彼を密かに”石油王”と呼んでいたのだが、公演中、彼のガイドだか通訳だか知らないが、横にぴったりくっついた人が石油王にダラダラと説明を続けていて、うるさいのなんの!石油王の前に座っていたフランス人のグループも、いい迷惑だったに違いない。余談だが、モンゴルを訪れる観光客は、日本人とフランス人がダントツだそうだ。日本は近いし、なるほどと思うが、フランスは意外。ガイドさん曰く「白人のツアーはアウトドア中心のアドベンチャーツアーなので、ついて行くのも大変」だそうだ。これは分かる気がする(笑)。

なんだかんだで民族歌舞鑑賞は2時間ほどで終了。夕食はホテルで。妹が10時すぎにお風呂に入ろうとしたが、やはりお湯は出なかった

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