99年7月10日付英国NME紙より。
Oh no, it's... 
THE FAN-ISH INQUISITION
Blurの面々があなたのキビシイ質問にお答えします・・・。文・April Long
 質問を募集したところ、どっさり届きました。Eメールで、郵便で、伝書鳩で。朝鮮から、ユーゴスラビアから、Scunthorpe(訳注・英国の地名)から。

 確かに、Blurの事となると、数え切れない程の些細な関心事や、情け容赦のない尋問をしたいという燃えさかる欲望がある。おかしな事に、Blurは最近、これまでで最もシリアスかつ難解、しかし興味をそそるアルバムを出したにもかかわらず、それはあなたが本当に知りたい事ではなかった。あなたにはDamonの髪型の変遷の方が興味がある。彼らのセックス・ライフの不適切な様子を詮索したい。Alexの料理の好みやDaveの猫たちがどうしてるのか、興味津々。

 NMEはロンドン北部のフォト・スタジオで、ニュー・シングル「Coffee + TV」のビデオを完成させたばかりの彼らを追い詰めた。彼らは偶然にもコーヒー(Alexはポップなソックスの辺りにエレガントにこぼしてウインドブレーカーにシミをつけた)の支度が出来ている。目を輝かせたGrahamは再び禁酒を始め、今のところ、6週間以上もボトルの危険性を回避している事を高らかに宣言。その間Damonはしきりに(インタヴューを)始めたがっていた--記者の肩ごしに心配そうにじっと覗いて、これから受ける厳しい尋問を下調べしようとしている。さあ、彼らはあなたのなすがまま。Blurの面々は我々の目の前に、そしてあなたの質問は攻撃準備完了。かかれっ!


聞くところによると、メンバーの内1人には、取り外して、終わったらまた元に戻せる前歯があるそうですね。それは誰ですか?
(Toby Langley, High Wycombe)
Alex:何が終わったらだよ?
Graham:歯があった所にストローを入れると、歯を閉じたまま飲めるんだ。それは僕の事だったんだけど、もう金を稼いで高価な治療を受けたから、その限りではないね。
Alex:バーミンガムのSwallow Hotelで、部屋のドアを開けたらさ、おまえがわめきながら廊下を這ってる所を見た事覚えてるよ。で、ドアを閉めて、もう一度開けて見たら、まだわめいててさ、歯抜けてんの。

動物になれるとしたら、何になりたいですか?また、どうしてですか?
(Kim, USA)
Alex:僕は動物だよ。ロックンロール・アニマル。
Damon:僕は自分の干支の動物とすごく関わりがあるんだよな、猿なんだけど。自分の猿っぽい所も納得だよ。
Dave:僕は猫になりたいね。5匹飼ってるんだ。
Graham:僕は茶色い熊になりたい。眠ってるとはいえ年に6ヶ月のオフが約束されてるから。
Alex:ライオンになりたいな。
Graham:なんで?タマ丸出しでゴロゴロしてられるから?
Alex:違うよ。ジャングル中を股にかけて、でっかく生きられるから。
Damon:おまえも猿っぽいよ。
Alex:ああ。猿ってすごいよ。丸ごとは喰えないしな。
Damon:霊長類の話になると、すごくわくわくするな。ヒヒのでかいブルーのケツとか、オランウータンのオレンジ色の顎とか。
Graham:一度、猿と一緒に写真撮影をしたことがあるんだけど、一度に一人ずつ檻に入らないと、頭をもぎ取られるぞって注意されたよ。
Damon:コルチェスター動物園の忘れられない思い出の一つは、小さい頃、檻の中に並んでマスターベーションして、人間にかけようとしてるチンパンジーを見た事だね。

どうしてDamonはいまだにFred Perrysを着てるんですか?
(Vernon Legakis, California)
Damon:今も好きだから。いつも結構持ってるよ。衣装の輪作状態。

「Song 2」は広告に使われまくってますが、それはみなさん自身が選んだのですか?
(Claire Sharp, Ontario)
Damon:アメリカとカナダでは、ナショナル・ホッケーとフットボール・リーグに選んでもらって、それでスポーツと密接な関係のある、ビールの広告にも使われたんだ。「ザ・シンプソンズ」とかインテル・プロセッサも関わってきた。戦争にも使われる所だったよ、断ったけどね。アメリカ空軍が新しいステルス型爆撃機のお披露目に使いたいって言ってきたんだけど、丁重にお断りした。

「13」では、どうしてリスナーをノイズで圧倒しなければならなかったのですか?あなたがたが言っている通り音楽を”感じるている”のなら、どうして意味のないエフェクト無しで、シンプルに、自然にプレイしないのですか?
(Silvana Loi, Sardinia)
Damon:それは主観の問題じゃないかな?僕たちはこういう方法を選んだってだけだよ。
Graham:こういう質問するやつはギタリストじゃないね、絶対。
Alex:音のなかでもギターなんか全然好きじゃないんだ。
Damon:いろんな状況で僕自身も自分を無意味なエフェクトとして捉えてたから、音楽でもそれをキープしてたのかもしれないな。

音楽の方向性や焦点を変える時は、全員がそれに同意したのですか?
(Greg Hood-Morris, Toronto)
Damon:そうだな、意見の一致っていうのは、4人のミュージシャンが一緒にやってるわけだから、こだわっていられないよ。そこが始まりであり終わりでもあるんだ。お互いに全然認め合えない時もある。でも全員が全く同じ事を考えてたら、みんなで同じ演奏をしなくちゃならない。
Alex:全員それぞれが持っているものを出したときに、最高にうまくいくんだ。それがバンドの全て。物事を進展させるためには、意見の組合わせと影響が必要なんだ。

Graham、あなたの好きな画家[painter]は誰ですか?
(Jan, South Korea)
Alex:これは「あなたの好きなRed House Paintersのメンバーは誰ですか?」っていう意味だと思うよ。
Graham:あ、そうなんだ?Markだね。
Alex:誕生日にくれた絵あるじゃん、ハートが付いてるやつ。Damien(Hirst)に誰が描いたのかって聞かれたよ。あいつ、すごく気に入ってるよ。
Graham:ワォ!あれは彼が売れる前に描いたんだ。
Alex:Gilbert & Georgeが電話帳に載ってるって知ってた?「画家」ってところに。スバラシイよ。

イングランドのベスト・ニュー・バンドは誰だと思いますか?
(Josh Boyd, Texas)
Damon:Live Human on Fat Cat。彼らのCDは最近よく聴いてるんだ。狂ったビートとノイジーなパンク・ミュージックがうまくミックスされてる。それがこの頃連絡をとってる新しいバンド。
Alex:Murray The Hump。それ程新しくないけど、クールだね。

もし、Brett AndersonかNoel Gallagher、どちらかと一緒に曲を書かなければならないとしたら、どちらを選びますか?
(Kenny Rixon, Leicester)
Graham:どっちを支配できるかって事にかかってるよ、曲のアイデアじゃなくて。
Damon:それがどういう曲かによるよ。”電気と白線(訳注・興奮とコカインの事)”の曲なら・・・んー、両方かな。そういうイメージに関しては2人とも義理の兄弟みたいなもんだろ?実は2人ともよく知らないんだ。僕たちの間に対抗心があるのは、ちょっと謎だね。彼らがどういう人間かも分からないんだから、僕は彼らを批判出来ないし、ましてやこういう質問にも答えられないな。

レディング/リーズ・フェスティヴァルに出演するために、100万ポンド払ったというのは本当ですか?
(Simon Rice, Dorset)
Damon:最低でも200万は費用がかかるんだ。それぞれに。
Graham:アンタには関係ない事だね。

だれかを殺して、それをOasisの奴らに罪をなすりつけるとしたら、誰にしますか?
(Karen Torres, California)
Alex:Steven Wells。
Damon:John Lennonだね。絶対。

もう商業的なポップソングは書かないのですか?これからのBlurのアルバムは、より実験的な色を濃くしてゆくのでしょうか?
(Bob Thompson, Ontario)
Damon:僕は「Tender」ってポップソングだと思うよ、本当に。「Coffee + TV」も。僕たちはいつもポップソングを書いてる。Stepsじゃないんだよ。Throbbing Gristleでもない。(訳注・だからいつもブリブリのポップソングばかり書くわけじゃない、という事か。)
Dave:昨日、日本のTV中継でStepsと一緒にやったんだ、JamiroquaiとかPaul Weller、Nick Cave、それにThe Corrsとね。正直言って、彼女たちは結構イージーな仕事してたと思うよ。
Alex:ああ。でも彼女たちは黄色い服を着るべきだった。
Graham:すごくヘルシーな人たち。
Alex:ところでThe Corrsってどんどん可愛くなってるよな。
Damon:誰だよThe Corrsって?彼女達を見分けろって言われても、僕には無理だね。
Graham:あの人たちみんな1ヶ月くらいパスタ食いまくった方がいいよ。
Alex:彼女たち、もうちょっとはじけたりブータレたりしたいと思ってるな。

今日はどういう音楽がステレオでかかってますか?
(Jeffrey Hadzima, Chicago)
Alex:The Cultのグレイテスト・ヒッツ。
Dave:Jazz FM。
Graham:今日聴いた曲、全部知りたいの?まずHandelを聴いて、次にHellacopters、その次がEntombed、その次がRuts、その次がCrush、その次が「Gummo」のサントラ、で、またEntombed。

Blurのメンバーの中で、誰が一番ベストで、なおかつアクティヴなセックス・ライフを営んでいると思いますか?
(Chris Bell, Leeds)
Damon:こんなこと言う程僕は厚かましくはなれないね。
Alex:んー、俺らって結構堅実にやってる方じゃない?
Damon:僕は今までにないほど堅実だよ。

Damon、あなたはお父さんになるの?ならないの?
(Lorraine Prince, Manchester)
Damon:その質問には答えない。(訳注・彼が国内誌に語ったところによると「なる」そうです。)

みなさんはこれまでのキャリアに悔いはありませんか?
(Andy Roberts, Oxfordshire)
Damon:後悔とまでは言わないけど、非常に鋭い学習曲線を描いて来たと思うよ。
Graham:始めた頃はリスのタフティ4人組って感じだったね。偉大なる天の声が、何をするのか、しないのかを教えてくれた。タフティって轢かれちゃったんじゃなかったっけ?
Alex:全てを後悔するか、全然後悔しないかのどっちかだよ。その人の気の持ち様によるね。
Graham:もし時間を遡って、ビデオみたいに後悔してる所を消して、消した分の時間を人生の終わりの部分に足せたらどうする?僕なら24才あたりだな。
Damon:もしいろんな順番で自分の人生を生きることが出来たら?きっと面白いだろうな、1年間80才で生きて、次の年は5才、とか。
Graham:そうだね。ランダムに生きられたらな。朝起きるのがちょっとショックかもしれないけど。起きてみたらウンコ漏らしてて、おしっこも漏らしてて、それで自分が生後2ヶ月だって気が付くの。
Alex:そういう事あったよ。たったの30才だった時。

今になってみると「The Great Escape」は恥ずかしいですか?
(Billy Hanafi, Richmond)
Damon:偉大な芸術作品として推薦はしないけど、僕たちの人生から生まれて来たものなんだ。僕たちにはそれに対する責任がある。抹消する事は出来ない。それはこれからもずっと存在するんだ。いちいち家庭訪問してアルバムを回収するなんて考えただけで恐ろしいし。だからその存在を受け入れるんだよ。

今、注目を浴びている人の中では、誰が一番のお気に入りですか?
(Tash Samuel, High Wycombe)
Damon:「The Face」のカヴァーに写ってるMissy Elliottの唇、見た事ある?信じられないね。今一番気に入ってるものは、Missy Elliottの唇。ゴージャスだよ。

Damonは真実の愛を信じますか?「To The End」の裏に隠された意味は?
(Becky Blanton, USA)
Damon:あれは漫画からとったんだ。2人の子供が納屋の入り口に座ってて、片方の子がこう言うんだ、「僕たち最後までやり通したみたいだね(It looks like we made it to the end.)」って。すごくロマンティックな場面だったよ。僕はこの曲大好きなんだ。これを歌うのは本当に好きだね。僕のカントリー・ボーイ的なメランコリーに訴えるよ。
Alex:でもおまえってロマンティックなタイプじゃないだろ?
Damon:自分がロマンティックじゃなかったらこんな曲書かないよ。

Blurのみなさん全員が楽しめるのは何のオムレツですか?
(Rachel Monroe, Virginia)
Dave:チーズ&オニオン。
Damon:僕はオムレツは好きなほうじゃないと思う。トルティーヤはみんな好きじゃなかった?
Alex:俺らってどっちかっていうとチーズ・サンドウィッチ・バンドだよ、本当の所。チーズ&トマトが最強だね。あらゆるヴァリエーションのなかでも。
Graham:Dairyleaが好きだな、最近出た四角いトマトのやつ。
Damon:僕が好きなのは、カマンベールとソーダ・ブレッド。

「Beetlebum」はヘロインについて歌っているのですか?
(Devon George, Ipswich)
Damon:いや、エクスタシーについて。
Dave:僕のドラミングはヘロインだよ。

昆虫はやがて世界を征服しますか?
(Joanna Farmer, Coventry)
Damon:これはDave向きの質問だな。
Dave:よく寝たほうがいいよ。
Alex:長期間ではないな。
Graham:でもいずれはそうなるんじゃないかな?ゴキブリは頭無しで10日間生きられるんだよ。ニューヨークでサウナに入った時、ゴキブリが歩き回ってたじゃん?周りなんかお構いなしにさ。
Alex:あれは世界一清潔なゴキブリだったな。
Graham:ゴキブリもキスするのかな?
Alex:頭が無けりゃしないだろ。
Damon:ゴキブリ殺すのってやだな。でもガスバーナーでやるのが一番いい方法だよ。
Graham:ゴキブリって燃えるの?
Alex:今まで見た中で一番恐ろしい光景はカブトガニだな。地獄だぜ。いろんな種類の脚とか接地器官がついてる。腹にアーミーナイフが付いてるみたいなもんだよ。
Dave:でも、あれは昆虫じゃないよ。僕は昆虫には感心するよ。「アンツ」とか「バグズ・ライフ」以降は、一般的に昆虫はより好かれる様になったと思う。ああいう映画が昆虫に個性を与えたんだ。でもあいつらはエイリアンだよ、ホント。
Alex:糸をはいたり網張ったり出来たらって想像してみろよ。ああいう器官があればいいのにな。人類はなにで身を守ればいいんだろう?
Dave:鋭い英知だね。

これからエイリアンに誘拐される事がわかったら、それぞれ3つずつ、何を持って行きますか?
(Jessie Jessup, California)
Graham:火炎放射器、録音機能付きMDプレーヤ・・・
Damon:僕を宇宙旅行に連れていってくれるものを持って行くね。ドラッグを沢山。
Dave:歯ブラシ。役に立たないものとか。
Graham:二進法のコード表。それとゴリラ。
Alex:「The Great Escape」。
Damon:AlexとDaveはDamien Hirstの水玉の絵を火星に送信してるんだ。彼はリアクティヴ描法とか言うのをやってて、大気中のある要素が水玉に影響するんだ。結構面白そうだよ。The Groucho Club、火星に行く。火星人に神の御加護がありますように、だな。

リンダ・マッカートニーのベジ・ミールの中では、どれが好きですか?
(Liz Smeaton, Wiltshire)
Alex:ソーセージ・ロール。
Dave:カントリー・パイ。
Alex:自分でやるの?
Dave:当然。
Damon:冷凍食品は食べない。自分で料理するか、外で食べるかで、その中間はナシ。
Graham:ウチのフリーザー壊れてるんだ。だからずっとアイスクリーム食べてなきゃいけない。

Daveはアニメーションに興味があると聞きました。近い将来、彼の作品を観る事は出来るのでしょうか?
(Duncan Genevieve, Surrey)
Dave:骨の折れる仕事だけど、すこしずつアニメーションみたいなものを作ってるところんだ。もうしばらく待ってもらう事になるね。

解散寸前だったとか、いつも口論ばかりしていた、というのは本当ですか?
(Sarah, Bristol)
Damon:多少の口論はするけど、いつもではないよ。
Graham:あれを口論っていうのは大袈裟だとおもうな。
Damon:みんながどれほど「僕たちが口論するかどうか」に興味があるかって事には、驚きだね。「あなたの鼻って取れそうなんですか?」って言い続けるのと一緒だよ。結局そう言う人は自分の鼻にコンプレックスがあるんだ。1つの事ばかり気にし続けるのは、他の人が気にしてるからだ。で、突然僕らは解散しそうだと思ったみたいで、もう問題じゃない。

Damon、あなたはBrettを殴りたいと思った事がありますか?
(Shaun, Weymouth)
Damon:Brettのタマを潰してやったらいいだろうと思うよ。どっちかっていうと彼と上手くやっていきたいね、本当のところ。くだらないよ。前にBrettとあった時は一緒にお茶を飲んだんだ。実際、彼とは友だちではないけど、道で轢いてやりたいと思ってるわけでもない。

今までで最低のDamonの髪型はどれですか?
(Lucy Hollis, Edinbergh)
Graham:いつもOKなのにさ、後ろを見て「最悪」とか言ってるよね。
Alex:「There's No Other Way」のビデオ。あれはもう全員、劇的なまでにヘンな髪型だよな?Damonはなんか前髪なしの坊ちゃん刈りみたいな。
Damon:最低の髪型は、学校に行ってた頃のだね。前の方がちょっとツンツンした感じのmullet(訳注・頭の上の方が短くて、下の方が長い髪型)にしてた。

財産がある事を恥ずかしく思いますか?
(Courtney Banks, Inverness)
Damon:ああ、場合によってはね。
Alex:相手によるな。

Damonが映画のサウンドトラックを制作中だという話は本当ですか?
(Ingrid Eaves, London)
Damon:そうだよ。Michael Nymanと一緒にやってる、こっちでは夏に公開予定の「Ravenous」っていう作品。人肉食についての話なんだ。基本的にはホラー映画だね。シリアスなホラー映画。他にもいくつか取りかかってるのがあって、そっちも進行中。

好きな飲み物は何ですか?
(S Henry, Watford)
Alex:香水。
Damon:ラム&クランベリー・ジュースかな、そんなによく飲むわけじゃないけど。いや、実際、正直な所、僕が好きな飲み物はフレッシュ・ミントを入れた紅茶だね。

他のメンバーから見て、今までDamonがステージ上でした事の中で、一番恥ずかしかった事は何ですか?
(Gavin M, Australia)
Alex:パンツ脱いだ時だな。あれにはあきれたよ。
Damon:Brixton Academyで、ズボンと、パンツを下ろしたんだ。で、観客がヒステリックに大笑いしてるのに気が付いた。だからステージに倒れ込んで、すごいアクシデントに見せかけようとしたんだ。残酷物語って感じだったね。ローラーコースター・ツアーの時だよ、たぶんアル中絶頂期だったと思うな、僕たちのキャリアの中でも。
Alex:J Mascisがなんて言ったか覚えてる?「今夜もまた小さいおシリを出すのかい?」ってさ。
Graham:あれが今までで一番ロックンロールなツアーだったね。今までで一番大酒飲んだよ。
Alex:Dinosaur Jr.のイカレ野郎がそこら中にビール瓶投げてたし。
Damon:僕がピアノを弾いてる時に、その1つが頭に当たったのを覚えてるよ。西部劇に出てるみたいだったな。

もうツアーはしないと言っていましたが、ファンはどうなるのですか?
(Betsy-Shane Rosenblum, New York)
Damon:まず最初に、君自身の事を「ファン」というのはよくないな、品位を落とすことになるよ。僕たちは何ケ所かでプレイしてる。大きなフェスティヴァルでもプレイしてるし、小さなギグもたくさんやった。何年もの間、いろんな事をしてきたけど、みんな不満タラタラだった。小規模だと「小規模すぎる」とか、大規模なら「大規模すぎる」とか。そんな不平は相手にする事ないんだ。常に全員を喜ばせるようにしようなんて思ってない。僕たちに唯一責任があるのは、突き詰めていけば、良いアルバムをつくる事だけ。それが僕たちの主な目的なんだ。そしてこれから専念してやっていく事でもある。


 さて、まだ未解答の質問がホルスター一杯分残っていますが、残念ながら、これで審問を終えなければなりません。御存じの通り、Blurは忙しいバンド。それにこの続きを約束してくれた。Damonはミーティングに出席しなければならないので、すでに手を振ってお別れし、タクシーをつかまえに走って行った。Daveは後でAlexが来る事になっている飛行場に向かった。2人はスペインへ飛んで1日過ごす事になっているが、その前に、Alexはチャリティ行事に参加しなければならない。Grahamは大きすぎるバックパックからヘッドホンとMDプレーヤを取り出し、パブの誘惑を避けていこうとしているCamdenへ行く間に聴くサウンドトラックを探している。
 それでも、私たちはBlurの精神を垣間見たという確信はある。「Trimm Trabb」のおかしなノイズは何なのか、あるいはバルカン戦争についてどう感じているのかは未だ分からないが、これだけは分かった。次回--本当に彼らの気を惹きたいのなら--チーズサンドを持っていかなくちゃ。それと猿もかな。


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