Graham's Flat

「Select」誌、94年6月号より。


BLURのGRAHAM COXON:我々が気難し屋のグロスマン卿に向けるような視線を装飾品に向けながら、スターの素敵な家にやって来た。首吊り縄や、木製のビートルズ、そして“Bastard“という猫のいる、イギリス風の客間?Grahamについて中に入る・・・

フェンスはなし・・・庭はタンポポで覆われている・・・ドアのそばには小包・・・Blurのギタリストで、悪名高い“シャンペン・チャーリー“Graham Coxonの家庭的でのどかな世界へようこそ。中には、お茶、椅子、それにYester-eonの曲が心地よく奏でられている。Grahamは礼儀正しいが少々シャイ。クリニークのファンデーションの瓶の存在に対する彼の弁明を挙げよう:「うーん、あー、うぅ、うーん」彼は言い切った「それは、うー、それは僕の、あー、ガールフレンドの。」とてもGrahamらしい。また、彼はシラフで、これは世間で知られている彼よりも、落ち着いた面を見せてくれる事になるかもしれない。そして彼のフラットの玄関に入ると、なんとなく猫類特有の変なにおいがする。

 みんながする事をどうしてるのかって?Grahamに聞かないで---彼はここに1年住んでいるが、棚なし、洋服ダンスなし、調理機具なし、椅子1つ、ソファ1つ、様々な飾り物やおもちゃがのっているコーヒー・テーブルが1つ。冷蔵庫の中は標準的で、まず牛乳、完熟チェダー・チーズ、ピクルスにマスタード。食器棚の中にはTyphoo teaのパックが7つ、ピーナツバターとキャット・フード。彼の寝室はきわめて簡素だ。おへそを出した女の子の絵がかかっている(「アート・スクールで描いたんだ、あー、でも、これが誰なのかは教えないよ」)。フロイト・ファン注目:裸婦のトルソ(手足のない彫刻)が暗くなった地平線に向かって不安げに横たわっている、ムンクの絵がベッドの上に。

 「レベルの低い生活って感じだよ」Grahamは認める。床にラグが敷いてあるので、お客さんもスペースを分けてもらう。隅にはCD、順番は、あー、バラバラ。Nick Drake, Beatles, Beastie Boys, 「Blow-Up」のサントラ, 雑誌にTV・・・少しも浮いたものはなし。hip old peopleには申し訳ないが、彼のレコードは全てロック。「メリー・ポピンズ」のサントラは見当たらない。

 トイレタリー用品のないバスルームでシャワーを浴びる時は、ボトルを2本持って入ろう。ここにあるのはスタンダードな歯ブラシなんかやバブル・バス関係だけ。見どころ:地球儀型ビーチ・ボール。「アメリカはいつも壁に向けてあるんだ。」とGrahamは言う「嫌いなんだ。アフリカやアジアを見てる方がいい。」

 厳しい時を園芸科学が侵略した跡が見られない庭に、彼の猫がゆっくりと出たり入ったりしている。きちんとした人なのに(「ごちゃごちゃしたのは好きじゃない」)家全体がいい加減。常にプレゼント(Jamie Hewlittの絵、music pressのコピー)に占領されてはいるが、オードリー・ヘプバーンの写真、モッズ青年の白黒写真や様々な"beat"ヴィデオが、British Youth Cultureに興味を持つ事を表現している。垂直方向には手がかりはなく、‘60sの詩に関する本を載せる棚をどうやって付けたのかもわからない。

 「テレビで犯罪に関するレポートを見てたんだ。」とMr. Coxonは発言。「それによると、イギリス全域は無法状態レベルの区分が、黄色から赤を示してるんだ。僕が住んでる所は赤の区域・・・いつでもkebab shopが開いてて、厳しい現実感を味わえるってこと。僕は好きだな。」

壊れたギター
「Kentish TownのBull & Gateで壊したんだ、たしかまだ僕らがSeymourって呼ばれてた時だったと思う。80ポンドでお医者さんから譲ってもらったんだ。そう、正確に言うと、僕の姉の友達。いつも僕のギターにはJack Russellの写真を貼ってた。ずっと修理しようと思ってたんだけど、もう構わない。LAのハードロック・カフェに飾ってもらいたいからね。」

アシッド・ジャズ・ピッグ
「この豚はドラマーのDaveにもらったんだ。いや、海外で手に入れたんじゃないよ、こいつはカムデン・マーケット出身。友達がジョークでアシッド・ジャズ豚にしたんだけど、そのままにしてるんだ。永遠にこのまま。」

木彫
「1988年にコルチェスターのアート・スクールで創ったんだ。プロジェクトの一貫で、頭が他に3つあるんだ。何を表しているのかって?え、わかんないよ。」


「PussとかBastardとか呼んでる。今11才くらい。お客さんが来るときはいつもネクタイをしてやるんだ。こいつメチャクチャ臭いうえに息もヒドイんだよ。ウチに泊まった人が取り違えるかも知れないっていう淡い期待をこめて、キャットフードとシリアルを並べて置いてる。」

ビートルズ人形
「ダラスにある面白い店で$15くらいで買ったんだ。オリジナルのものじゃないかな。首を振るんだよ。」

フランシス・ハーディーのレコード
「フランシスは大好きだよ。‘92年の僕のnon-noisy期には彼女に助けられたよ。一生感謝する。僕らがアメリカに行って、僕はあれ以上うるさいバンドでやっていけなかったんだ。年寄りみたいになった。彼女はまだ現役だし、彼女とコラボレーションしたいな、彼女にBlurの曲を歌って欲しいよ。」

大きなコーデュロイのジャケット
「これはお父さんのだったんだ。60年代に着てたんだと思う。スイング奏者だった時じゃないかな。僕の服の多くはお父さんのだよ。いや、彼は寒い思いはしてないよ、もっと現代的なやつを買ったんだ。僕は全然着てないんだ、ちょっと気取ってる感じで、タンスのこやしだね。僕の趣味じゃない。」

ハンプティ・ダンプティ
「僕の姉のHayleyが作った。僕のために作ったわけじゃなくて、僕はただ借りてるだけ。ポップ・アートのソックスを履いてるんだよ、ほら。アメリカ側を向いてるんだ、僕はアメリカは嫌いだし、後ろ側の方がもっといい感じだからね。」

パーカ
「デンマークで買ったんだ。あそこにはいいパーカがある。去年これを買って古いのと取り替えたんだ。いや、モッズの集まりとかで着たことはないよ、奴らはグラスを投げる様な悪ガキばっかりだ。」

首吊り縄
「SmithsがBrixton Academyでラスト・ギグをしたとき、僕はコルチェスターから友達と一緒に観に行ったんだ。Morrisseyが「Hang the DJ」を歌ってる時に、彼は観客の中にこれを投げて、僕が取ったんだ。それが僕がこれを持っている理由。何か変な趣味だとか思わないで欲しいね。」

FLOYD ON HANGOVERS BOOK
「Blow Up(映画の方ではなくて、言い替えれば‘new Syndrome‘のカムデンのクラブか、たぶん80年代後半の‘巧妙な‘サイケデリック・バンド)のポールが僕にくれたんだ。5日間解毒薬っていうのが載ってたから、いつかやってみようと思ってる。いろんなものが要るんだけどね。いくらかのアルコール、レモングラス、僕が見たこともないような変なものとか。」



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